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ガラードは今? ー SMEの傘下なのをご存じでしたか

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 私の大好きなトーンアームの一つに(今使ってませんが...)SMEの3009/3012S2シリーズ(写真はS2 Improved)があります。SMEについてここ数年で話題になったのはSMEがアーム単体での販売を止めてしまったことでしょうか。それからというもの中古のSMEトーンアームだけでなく、リーズナブルだった3009や3012のスペアパーツまでとんでもない価格に上がってしまいました。10年ちょっと前にはSMEは3009/3012シリーズを近代的にしたM2シリーズの12R(12インチ)アームが海外サイトから日本円にして11万程度で手に入った時期があったのですが昨今の円安もあり今では夢のような話です。 その理由には何があったのか SMEのホームページ を参照してみました。ホームページでHistory (歴史)を読んでいると、どうやらこの話の裏には2016年にSMEがインドのケーデンスオーディオグループに買収されたことに理由があるようなのです。自社のターンテーブルにのみはSMEのトーンアームをセットで販売してターンテーブルの販売数を伸ばそうということのようです。そしてここからがやっと本題。 2018年の項目をみておどろきました。ガラード(Garrard)の商標をケーデンスオーディオが買収したとあります。D&Mのように世界的にオーディオの有名ブランドは大資本のグループに買収されて一時は競合だった会社が同じ資本の元で姉妹や系列会社になったりしています。続きを読むと、「ガラードはSMEのもとで復活し、リバイバル301の導入を経て、最終的には全く新しい世代のガレード・ターンテーブルの開発が行われる。」なんと、ガラードブランドはSMEの傘下になっていたのです! 昔聴いた話ではいったい何の会社かわからいところがガラードの商標を保有していて、ガラードのターンテーブルの復刻を目指していたようなのですがなかなか日の目を見ずに終わったようでした。しかし ガラードのホームページ を検索するとなんと神々しい301のお姿が!こちらのモデルはガラード301クラシック。 以下はHeritageに記載の内容です。 SMEリミテッドは2018年に著名なガラードブランドを買収した SMEリミテッドは2018年に有名なガラードブランドを買収し、伝説的なガラード・モデル301復刻盤ターンテーブ...

ジャズを愛あいしてやまないジャズ好きが、ジャズレコードために作ったMCカートリッジ - アナログ・リラックスをご存じですか?

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 皆さんは アナログリラックス というブランドをご存じでしょうか?アナログリラックスさんはオーディオテクニカやデノンの大手とは違う、ちょっと尖ったMCカートリッジを作っているメーカーさんです。 アナログリラックスのウェブを見ると写真のカートリッジはもう現行品ではないようですが、こんな形をしたカートリッジを販売していました。(従いまして以下は現行製品の話ではないことを予めご了承ください。) どんなカートリッジかというとジャズを愛してやまないジャズ好きによる、ジャズレコードために作ったMCカートリッジなんです。もう何年前になるでしょうか、オーディオ師匠の一人からの紹介でアナログリラックス代表の万木(ゆるぎ)さんとお茶の水で会った際に「このカートリッジは一言で言うと”ジャズ再生のために作ったMCカートリッジ”です。」と紹介されました。 万木さんはジャズ・サックス奏者、ズート・シムズの大(「大」の数が足りないですね、「大」が5個ぐらいつけても足りないほどの)ファンでファンクラブの日本代表まで勤めている方です。シュアーV15 Type IIIのようにMMカートリッジにはジャズに最適と呼ばれるもの、またはジャズレコードを再生している人から絶大な支持を集めているカートリッジがある一方、MCにはそのようなカートリッジは聞かないので「ジャズ用のMCカートリッジ」を作ったのそうです。そんな話を聞いておきながら他の仕事で忙しくて実際の音を聞く機会がないまま何年も過ぎてしまいました。今回オーディオ師匠からカートリッジを借用して聴く機会を得ましたので紹介します。 本体は無垢の木材を削り出して作ったもので、この中にムービングコイルの発電系が収まっています。その名も「濃い音」という製品名のカートリッジです。さて、どんな音か一言で言うと「情熱のジャズ!」でしょうか。これを聞いた後でオルトフォンのMC20MkIIやSPU GTでジャズを聴いても物足りなさを感じてしまうほどです。ジャズボーカルもピアノも、ホーンもジャズであれば艶がやかで芯が太いあたたかなサウンドです。ジャズ良さを、楽しさを伝えたい万木さんのジャズへの情熱が詰まったMCカートリッジと言ったところでしょうか。名前の通りの濃ぉーいJazzの音を本日は堪能させていただきました。