投稿

この価格で完成された音-AIYIMA T20

イメージ
 またまたこのブログで中華プリアンプを取り上げることになりました。今度はYou Tube上でもFosi Audio ZP3と双璧をなす、AIYIMA T20です。AIYIMAは「アイーマ」と発音するようですが正確にはどうだか不明です。製造販売しているのはAIYIMA Audioをという中国深圳のオーディオメーカーです。 T20にもZP3同様、かなり驚かされました。購入価格はアマゾンで2万円弱ほど。何にびっくりしたかというとこの価格で音が完成されていること。言い換えれば設計者の音に対する哲学や理想が表れているといいましょうか。これなら高級オーディオと呼ばれる製品の世界に限りなく近いかもしれません。何故そう思うかというマーラーの交響曲第9番(サイモンラトル指揮・BPO)を聞いてみて今まで2万程度の価格でこれほどの音を出す製品は考えられませんでした。 スローなテンポの小さな音から始まり、いきなりドーン!と盛り上げるマーラーの交響曲ですがFosi AudioのZP3ではピアノや弦楽器で若干不自然は響き(いわいるデジタル臭)がでたりするのでクラシック音楽は聞いているうちにしんどくなってきます。ZP3では途中でリタイヤしてしまうマーラーもAIYIMA T20では一楽章をとおして聞くことができました。クラッシックでも大きな破綻なく再生できています。音的にはZP3と比較するとおとなしめで音の解像感も若干劣っているように聞こえますが、無理に音を出そうとすのではなくうまくまとめているところにT20の完成度を感じます。ZP3が(クラシック好きの若者の皆さんもおられますけど)ポップやロックを好む十代の若者の音なら、T20は来るものを拒まない落ち着いた大人の雰囲気のイメージです。 真空管を使ったプリなのですがSNも良いです。私がSN番長と呼ぶZP3とスペック上は全く同じ>=112dBです。この点も全く文句なし。 さて気になった点と言えば先日紹介したZP3もそうなんですが、リモコンの使い勝手です。リモコンメーカーから汎用品を購入しているようで、どちらもリモコンに使わないボタンがあるということです。大昔のアップルのiPod Nanoみたいな形をしているのですが、 ど真ん中にある電球マーク(フロントパネル照明on/off)の周りのリングは押しても何も反応しません。ボリュームは下左右の...

ビンテージLP12のお手入れに - ウオールナット(くるみ)オイル

イメージ
 皆さんはLP12の台座(プリンス)のお手入れに何を使っていますでしょうか?古いビンテージのLP12であれば素材はアフロモシア(アフリカン・チーク)材で側面にはスリットが入っていると思います。そんなLP12を使用しておられるのであれば私からのおすすめはウォールナット(クルミ)オイルです。アンティーク家具の表面の保護艶出しにも使われています。このオイルの利点はいくつかあります。 1.材料が自然素材なので食材にも使われ人体に影響が少ない。(クルミなどのナッツにアレルギーがある方は除きます。) 2.傷やへこみを目立たなくしてくれる上、艶も木材オリジナルの自然な仕上がりになります。特に傷やへこみを目立たなくすることについては以外にも効果抜群です。 3.ネットの通販でも買える入手性の良さ。(ただし、どれを使ったらよいかは悩むかもしれませんが…) ウオールナットオイルと言ってもいろいろあるようなのですが、私の場合はずいぶん前に画材専門店で油絵の絵具用を買いました。 75mlの容量で千数百円したと思いますが、良くのびるのでLP12に使っても全然量は減りません。 ちなみにイタリア製です。 さらさらしたオイルでベトつきもほぼありません。ピアノフィニッシュのようなニスが塗られているものでは使えませんが、 木の素地が出ているものに関してはほぼなんにでも使ってOKだと思います。 艶に関しては個人によって好みがあるかもしれませんが塗り終えた10年以上メンテナンス無しのプリンスはこんな感じになります。 写真の左側が塗る前、右側が塗った後。かなり艶の出方が違うのがお分かりいただけると思います。 少し多めにオイル塗布後、数時間たってから布で拭き上げた後の仕上がりはこんな感じです。プリンスの傷やへこみは分からなくなります。30年以上前の個体ですが、かなりきれいに見えると思いませんか?ちなみにアームボード部分の艶はアームボードがアクリル板なのでアクリル板の艶です。 このLP12は前ユーザー(たしかアメリカのどこかの州の方でした)が乱暴に使っていた様子で傷だらけ。角のそこかしこにささくれができてしまったりとひどい有様ででした。おまけにゴム足が純正でなく、使っていた木ネジも太くて長かったためか四隅の継ぎ目に隙間ができてしまっていました。コンディションを考えるとレコード再生には新しい物へ交換した方が...

S/N番長プリアンプ - Fosi Audio ZP3

イメージ
2020年を過ぎたころからでしょうか、中国メーカーのオーディオ製品の評判が上がり出しました。私もそれまで中国メーカーの安いDACやアンプをいくつか試していましたが、それほど良い音とは思えませんでした。ところが今年の4月に価格1万円ほどのS.M.S.LのDAC SU-1を購入して中華製品に対する意識がずいぶんと変わりました。今なら中古で数千円で売っているSONYのBDプレーヤーBDP1500PをCDトランスポートとして使っているのですが、これでもSU-1と組み合わせるとかなり良い音で聴けます。スマホはすでにMade in Chinaが世界を席巻していますが、オーディオの世界でも中国製品は単に安いだけでなりつつあります。 さて、本日のお題ですが、プリアンプのパフォーマンスの指標にSN比があります。これが良いと小さな音までクリアに聞こえます。とはいっても単にSN比だけが良ければ必ず良い音とは一概には言えないのですが、プリアンプのパフォーマンスの指標としては大事な項目の一つです。 私のプリアンプは20年前に購入した中古のQUAD44から始まりました。それ以前はプリメインアンプを使っていましたが、プリとパワーを分離しただけでもSNが良くなリ、パワーを分離する理由が良く分かりました。プリはメイン以上にものを言うことを実感しそれ以来プリメインは使っていません。次が中古のSUMOのATHENA2でしたが、購入当時このアンプのS/N比は数十万円クラスのプリアンプに匹敵するのではと思ったものでした。QUAD44もSUMO ATHENA2も良いプリアンプなのですが、時々端子やスイッチの接触不良がでたりします。どちらも古く状態に不安があるので数年前に当時は送料を含めて5万円程度だったEMOTIVA PT-100を購入しました。せっかく購入したPT-100は何か物足りず、好みの音が出てこないので残念ながら使わなくなってしまいました。そんな中で先月、オーディオ師匠がFosi Audio ZP3を購入し、SN含めてすごく良いとの話を聞き、私もアマゾンで購入してみました。 このアンプはバランス入力x1, RCA入力x2の合計3入力(入力切替リモコン操作可能)、バランス出力x1, RCA出力x1, サブウーファー出力(出力周波数フィルター切り替え付き)x1, LRバランス, Bass, Treble...

ブルーノートオリジナル盤はなぜ高い? - 理由はありです。

イメージ
 ジャズレコード愛好家であればブルーノートのオリジナル盤の価格が高い理由はご存じかもしれません。本当に高いものになると100万前後の価格が付くものもあるようです。これは日本だけの話かというとどうもそうではなく、海外のオークションサイトでも日本と変わらない価格が付いています。しかも日本からの出品ではなく本場のアメリカからの出品でもです。今回は販売を始めたオリジナル盤についてのお話です。 まず、ブルーノートオリジナル盤はなぜ高い?の理由は簡単で、レコードが市場にリリースされた最初期プレスの盤、日本で言うオリジナル盤の存在数が少ないからです。 ではなぜ少ないのか?この理由は単純に「レコードが売れなかった」からなのだそうです。 売れなかった結果どうなったか?売れないレコードはひどい時はアメリカの店頭では一枚1ドルで売られていたこともあったとか。それでも売れなかった盤はレーベルが付いたまま溶かして別のレコードレーベルに安いレコード盤の原料として再利用されたしまったそうです。(そのため紙の繊維がレコードのビニル樹脂に混じってひどい品質のレコードになってしまったとか…)その結果市場に残っているのはごくわずかに売れたものだけになってしまった、というのがオリジナル盤の希少性を高めた理由です。 もちろんすべてが売れなかったわけではなく中には リー・モーガンのサイドワインダー のようにたくさん売れたアルバムもあります。そのためリー・モーガンの中古盤の市場価格は比較的安いです。 今ではジャズレーベルとしては横綱ともいえるブルーノートですが、ウキペディアによると初期には倒産もしており、1979年にはレーベルとしては一度消えたと歴史がつづられています。 希少性に加えて人気の理由はレコーディングエンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーさんの存在が大きいのかもしれません。オリジナル盤のほとんどに彼のイニシャルのRVG、VANGELDERのいずれかの刻印がレーベルの外周に入っており、彼の録音であることを物語っています。ブルーノートに限らずJazzの名盤にはヴァン・ゲルダーさん本人がリマスターした再販アルバムもたくさんありますが、師匠曰く、「リマスター版はオリジナルより若干リバーブがかかっているものが多い」そうです。これもオリジナル盤の音を聴いていないとわからない世界ですね。 現在ウェブショップで...

ガラードは今? ー SMEの傘下なのをご存じでしたか

イメージ
 私の大好きなトーンアームの一つに(今使ってませんが...)SMEの3009/3012S2シリーズ(写真はS2 Improved)があります。SMEについてここ数年で話題になったのはSMEがアーム単体での販売を止めてしまったことでしょうか。それからというもの中古のSMEトーンアームだけでなく、リーズナブルだった3009や3012のスペアパーツまでとんでもない価格に上がってしまいました。10年ちょっと前にはSMEは3009/3012シリーズを近代的にしたM2シリーズの12R(12インチ)アームが海外サイトから日本円にして11万程度で手に入った時期があったのですが昨今の円安もあり今では夢のような話です。 その理由には何があったのか SMEのホームページ を参照してみました。ホームページでHistory (歴史)を読んでいると、どうやらこの話の裏には2016年にSMEがインドのケーデンスオーディオグループに買収されたことに理由があるようなのです。自社のターンテーブルにのみはSMEのトーンアームをセットで販売してターンテーブルの販売数を伸ばそうということのようです。そしてここからがやっと本題。 2018年の項目をみておどろきました。ガラード(Garrard)の商標をケーデンスオーディオが買収したとあります。D&Mのように世界的にオーディオの有名ブランドは大資本のグループに買収されて一時は競合だった会社が同じ資本の元で姉妹や系列会社になったりしています。続きを読むと、「ガラードはSMEのもとで復活し、リバイバル301の導入を経て、最終的には全く新しい世代のガレード・ターンテーブルの開発が行われる。」なんと、ガラードブランドはSMEの傘下になっていたのです! 昔聴いた話ではいったい何の会社かわからいところがガラードの商標を保有していて、ガラードのターンテーブルの復刻を目指していたようなのですがなかなか日の目を見ずに終わったようでした。しかし ガラードのホームページ を検索するとなんと神々しい301のお姿が!こちらのモデルはガラード301クラシック。 以下はHeritageに記載の内容です。 SMEリミテッドは2018年に著名なガラードブランドを買収した SMEリミテッドは2018年に有名なガラードブランドを買収し、伝説的なガラード・モデル301復刻盤ターンテーブ...

ジャズを愛あいしてやまないジャズ好きが、ジャズレコードために作ったMCカートリッジ - アナログ・リラックスをご存じですか?

イメージ
 皆さんは アナログリラックス というブランドをご存じでしょうか?アナログリラックスさんはオーディオテクニカやデノンの大手とは違う、ちょっと尖ったMCカートリッジを作っているメーカーさんです。 アナログリラックスのウェブを見ると写真のカートリッジはもう現行品ではないようですが、こんな形をしたカートリッジを販売していました。(従いまして以下は現行製品の話ではないことを予めご了承ください。) どんなカートリッジかというとジャズを愛してやまないジャズ好きによる、ジャズレコードために作ったMCカートリッジなんです。もう何年前になるでしょうか、オーディオ師匠の一人からの紹介でアナログリラックス代表の万木(ゆるぎ)さんとお茶の水で会った際に「このカートリッジは一言で言うと”ジャズ再生のために作ったMCカートリッジ”です。」と紹介されました。 万木さんはジャズ・サックス奏者、ズート・シムズの大(「大」の数が足りないですね、「大」が5個ぐらいつけても足りないほどの)ファンでファンクラブの日本代表まで勤めている方です。シュアーV15 Type IIIのようにMMカートリッジにはジャズに最適と呼ばれるもの、またはジャズレコードを再生している人から絶大な支持を集めているカートリッジがある一方、MCにはそのようなカートリッジは聞かないので「ジャズ用のMCカートリッジ」を作ったのそうです。そんな話を聞いておきながら他の仕事で忙しくて実際の音を聞く機会がないまま何年も過ぎてしまいました。今回オーディオ師匠からカートリッジを借用して聴く機会を得ましたので紹介します。 本体は無垢の木材を削り出して作ったもので、この中にムービングコイルの発電系が収まっています。その名も「濃い音」という製品名のカートリッジです。さて、どんな音か一言で言うと「情熱のジャズ!」でしょうか。これを聞いた後でオルトフォンのMC20MkIIやSPU GTでジャズを聴いても物足りなさを感じてしまうほどです。ジャズボーカルもピアノも、ホーンもジャズであれば艶がやかで芯が太いあたたかなサウンドです。ジャズ良さを、楽しさを伝えたい万木さんのジャズへの情熱が詰まったMCカートリッジと言ったところでしょうか。名前の通りの濃ぉーいJazzの音を本日は堪能させていただきました。

フェーズメーション - デガウザー DG-100(AT660T/OCC編)

イメージ
 SPUではDG-100の効果を十分感じることができました。ではMCカートリッジ用昇圧トランスはどうなのか?手持ちの昇圧トランスにはオーディオテクニカのAT660T/OCCとフェーズテック(フェーズメーションの旧ブランド名)T-3があります。T-3は新品で購入したもので、その音には大変満足していました。T-3は組み合わせて使っていたDENONのDL103が田中屋版LP12のデモ機と一緒にショップへ貸し出しているので使用機会がほとんどありませんでした。ですのでそれほど帯磁しているとは思えず、T-3よりも10年以上年上で、音に一番不満のあったAT660T/OCCを消磁してみます。 AT660T/OCCは長い間使用していませんでしたので、消磁する前にトランスの入力セレクタの接点とRCAジャック部分には先日本ブログで紹介したAZの接点復活材を注油して接点の状態を良くしておきました。AT660T/OCCを分解していて思ったのはは内部のシールドもきっちりされており、とても悪い音が出るようなトランスではないということです。 組み合わせて使用するカートリッジはオルトフォンのMC20MkII(ショップで販売中の商品ではありません。)です。これは針折れ品の中古に楕円針付きアルミカンチレバーを掛け継修理したものです。このカートリッジも製造から40年は経っているものと思います。            使う音源もSPU GTを消磁したときと同じくオスカーピーターソンです。おやっ?AT660T/OCCを通して聴いたMC20MkIIの音は以前聴いた時よりよく聞こえる!これはまず接点復活材のおかげのようです。MC20MkIIはフォノイコライザのMCポジションで再生したときより心地よい音には聞こえず。どこか野暮ったい音に聞こえます。では早速DG-100を使ってみます。 まずトランスのインピーダンスはフェーズメーションさんからの指示通り40Ωの一番高いインピーダンス設定にします。 DG-100をトランスに使うときの接続はこちら。 1.RCAケーブルでDG-100とトランスの入力側(IN)とを接続します。 2.DG-100の電源を入れ、 3.スタートボタンを押すだけ。 これで終了です。さて一回の消磁後はどうなったかというと、おっ!心地良い響きに変わっています。悪くないです。でもまだ音がもやって霧...